いくらお客さまにとって良い事だと思っていてもお客さまの気持ちや感覚をくみ取れなければ 意味がない。

asterismを開業してから

以前に増して

様々な場所にお招きいただく機会が多くなりました。

とても有難い事です。


先日、とある機会にご縁をいただきまして。

少しお痩せになられたとの事で

指輪のサイズお直しのご相談をいただきました。

気温の変化や体調に変化による指のむくみなどで

微妙に指輪のサイズが気になられる方は多いです。

体重の増減ではあまり指のサイズは変わらないと思っていましたが

どうやらそうでもなさそうです。

やはり個人差があるようですね。

過去にもこんなご相談がありました。

結婚指輪のサイズがきつくなってきたんですけど診てもらえますか?

今回ご相談を受けた指輪はこちら。

指が細い方は関節の方がどうしても太くなっているので

第二関節を通った位置で指輪がクルクルまわっちゃう。

できるだけクルクルまわるのを防ぐために

第二関節ギリギリのサイズでお直ししたいところ。

現状サイズ10号を8.5号にする事にしました。


そして、いざ、お渡しの日。

指輪をはめていただくと少しきつそうで

抜き差しをしている間に関節が赤くなってきちゃった。

しかし、8.5号以上のサイズだと結局指輪がクルクルまわりそう。

もう一度サイズアップする事自体は何の問題ないけど

今その判断をして、後にやっぱり緩いと感じさせても良くないし・・・

と悩みながら

「しばらくこのサイズで様子を見て、

やっぱりきついようでしたら再度サイズを

9号手前で調整してみますか?」

とお話ししてみました。

が、

お客さまの様子を伺っていると

「・・・・・・・。」

ここでやっと気づきました。

お客さまは言いたいけど言い辛い事があって

踏ん切りがつかないんだなって。


僕は服を買う時に良くあるんですが

店員さんがおすすめのサイズを着たり履いたりした時、

そのまま立っていればシルエットも美しいので

気に入るけど、動くと窮屈で違和感を感じちゃう。

逆もあり。

確かに着ていて楽なんだけどシルエットが気に入らない。

そんな時。

プロの方が言うから信じてみるか

と思える時と

自分の感覚を大事にしたいなぁ

と思う時と。


今まさにお客さまはその心境なんじゃないかと。

「この仕事をしている身としては

今のサイズがちょうど良いと思うのですが、

実際にお付けになる方の感覚が大事なので

サイズを上げてみましょうか?」

とお聞きしてみたんです。

お客さまの表情がパっと明るくなりました。

そしてお客さまから

「少し緩めで慣れていたのでその方が着けやすいです。」

という言葉が初めて出てきたんです。

少し緩めが心地よいなら

今のサイズ8.5号はとてもきつく感じられていたんでしょう。

何やってんだ!吉田!!!

て話です。

なんでこの言葉をサイズをお直しする前に

聞き出せてあげられなかったんだ!

という話です。

そうすれば今日気持ちよくお渡しできたのに・・・

お忙しい中、

はるばるここまでお出掛けいただいた事を無駄にしてしまった・・・

全て初回の僕の対応不足が招いてしまった事です。


いくらお客さまにとって良い事だと仕事をしていても

お客さまの気持ちや感覚をくみ取れなければ

意味がないどころか、良くない事です。

お気持ち、感覚をくみ取れずに大変失礼いたしました。

サイズは8.5号から9号へ再調整させていだきます。

そして今回の事で

改めて自分の仕事について

また学び直すことができました。

ありがとうございます。