「介護を経て看取った母の、その時の感情を残す指輪を作りたいのですが・・・。」

公式LINEにご連絡いただきました。

カウンセリングを行い、どんなデザインが良いのか思案します。

今までも同じケースのご依頼がなかったわけではないのです。

ただ、今回のケースは今までのケースと違いました。

初対面でもある私に正直に負の感情もお伝えいただいたのです。

ご本人の意図とは反しているかもしれませんが、お聞きしていて思いました。

介護ってとても大変。

そんな大変な事でもグッと堪えて美談になっている事、多いと思います。

ご苦労よりも愛情や恩返しとしての想いが勝るからかと思いますが

でも、そっと吐き出したい気持ちって誰にでもあると思うんです。

今回、お聞きしていて思いました。

お母さんと真剣に向き合い、やり切ったからこそ言える

負の感情なんだろうなと感じていました。

良い事ばかりじゃなかった、喜怒哀楽

満面の笑みでお話しくださったオーナーさまの、そんな想いを表現してお作りした指輪です。

喜の感情を表したデザイン
怒の感情を表したデザイン

その方のその時の環境、その感情、喜怒哀楽をわかろうとしても

本当に理解するというのはとても難しいものですね。

最終デザインを決定していただくまでに約1ヶ月の時間を要してしいました。

哀の感情を表したデザイン
楽を表したデザイン

仕様

貴金属素材:18金イエローゴールド

形状:ランダム 平甲丸

幅:最大19.0mm

デザイン:喜怒哀楽モチーフ

表面仕上げ:鏡面

今回お作りさせていただいた、こちらの指輪が

今のオーナーさまのお気持ちを満足させてくれているのは

お渡し時の笑顔でわかりました。

しかし、オーナーさまとお母様の物語は

今から始まっていくのでは?とも思ったのです。

ご愛用いただきながら、会話を重ねていくのでしょうね。

この度のオーダー、誠にありがとうございます。