近頃、今までより時間を自由に使えるようになった事もあって
様々な場所へのお誘いをお断りする事なく参加させていただき
色々な方々と知り合い、楽しい時間を過ごす事が増えてきました。
そんな時、会話の中で私の仕事を知ると
【やっぱり聞かれるよね ベスト3】
というのがあります(^-^)
それは
1.指輪のサイズが合わなくなっちゃったんだけど直せる?
2.お気に入りのネックレスが切れちゃってるんだけど直せる?
3.譲り受けたジュエリーがあるんだけどリフォームってできるの?
の3つ。(タイトルにある3つとはこちらの事ではありません)
所有しているジュエリーのお困り事が
それだけあるって事ですよね・・・
多くの方々が
「どこに聞いたらいいの?」
「気軽にお店に相談していいものか?」
そんな事を考えつつ、時間だけが過ぎてしまっているみたいです( ;∀;)
あまり良い事とは言えない状況・・・
asterism でも何か対応を考えていかないと!
さて、今日はそのよく聞かれる3つのうちの
リフォームについてのお話をしていきます。
上のトレーに乗っているジュエリーのほとんどは
オーナー様が叔母より譲り受けたジュエリーだそうです。
ジュエリーリフォームで大切にしたい事の一つ目は
【放置のままなら形を変えてでも身に着けて欲しい】という事です。
もちろん、そのまま身に着けられる事が一番良い事だと思います。
しかし、ここ何年かで時代は大きく移り変わりました。
ジュエリー業界も例外ではなく
20年、30年前の大ぶりで豪華なデザインは
今の時代では少し着けづらくなっているのが正直なところです。
オーナー様も悩み、葛藤があったかと思います。
「どれもが大切にしたいジュエリーだけど・・・
でもやっぱり身に着けるには抵抗がある。」
かと言ってせっかく譲り受けたのに
このまま着けずに永らくしまったままでは
それももったいないですよね。
だからジュエリーリフォームで大切にしたい事の二つ目は
【リフォームで造り替えるならデザインは
自分も楽しめて次の世代も楽しめるものにする】という事。
まず、ご自身が楽しめていない
「リフォームしたけど結局それもあまり着けていない」
は絶対に避けたいところ。
気に入る=身に着ける は若干異なる。
リフォーム後のあるあるです( ;∀;)
できるだけ日常に寄り添ったデザイン。
そして時代の流れに大きく左右されないデザイン。
オーナー様と好み・ライフスタイルを一緒に考えて
出来上がったのがこちらの数々です。
トレー写真のAを溶解して造ったバングル K18YG
BとCの一部を溶解しFのダイヤをセッティングしたバングル Pt850
Dの一部とFを溶解して造ったリング K18YG&Pt900
DとEの一部を溶解して造ったペンダントトップ K18YG
おわかりいただけたでしょうか?
今回のリフォームはお持ち込みいただいた
ジュエリー全ての素材を使用しました。
実はリフォームしても貴金属は買取り対応がほとんどで
再利用される事はあまりありません。
理由は例えば同じK18でもそれぞれ配合が違う事が多く、
溶解しても素直な仕上がりになる保証がないからです。
それでもオーナー様は買取りではなく、
全てを再利用する事が希望でした。
最後、ジュエリーリフォームで大切にしたい事の3つ目は
【できるだけ貴金属も溶解して再利用する】という事です。
溶解しながら配合を整えるのは大変な作業でしたが
とても良い経験をさせていただいたと思っています。
当然できない事もありますが、工房ですから、
これからもできるだけオーナー様のご要望を
叶えていきたいと思います。
オーナー様は今回のリフォームで生まれ変わったジュエリーを
ご自身が受け継いだように
また次の世代へ譲っていきたいと考えられています。
特にペンダントトップは
すでに譲り受けてもらいたい大切な方が4名いらっしゃるから4個。
オーナー様のイニシャルが小さく刻まれています。
譲り受けたジュエリーを無駄にする事なく
存分に愛用しながらまた譲っていく。
一度リフォームで手を入れたジュエリー。
それは次の世代へ
オーナーの存在と足跡を形に残していく事なのかもしれませんね。